院長コラム
講演会
渋谷区歯科医師会の学術講演会がありました。
講師は国立がん研究センター中央病院、歯科医長上野尚雄先生
『がん患者さんを口腔から支える歯科医療』
という内容でのご講演でした。
第2次世界大戦後、結核や肺炎などの感染症による死亡率は減少し
がん、心疾患などの死亡率が増加しています。
特にがんは1981年以降、死亡率の第1位であり、
最近では総死亡者の3割を占めているといいます。
がんの治療の3本柱は
①薬物療法②外科手術③放射線治療
ですが、いずれの治療においても、口腔内の環境が悪化します。
口腔乾燥症や口腔粘膜炎、口内炎などの予防とケア
歯性感染症などのリスクを低減するためには
患者さんの口腔衛生指導、口腔清掃、歯周病に準じた治療をすることが大切です。
こうした現況の中、以前は
「がんの治療が最優先なのだから歯科に掛かっている場合じゃない!」
との意識だったものが
「がん治療を始めるからこそ歯科での管理が必要!」
との認識に変化しているといいます。
医科と歯科の連携でがん患者さんの治療過程においても
できるだけQOLを下げないように『支える』治療が重要ですね!