院長コラム
歯の根管の治療
日経新聞1月22日付けの記事からです。
『根管治療』を経験された方も多いと思います。
むし歯が深くて神経を取らなければならなくなったり
根の神経の消毒(厳密には神経を取った後の歯の内部の消毒)をすることです。
疲れたり忙しかったりするときに限って
歯がうずき出すことを経験されたこともあるでしょう。
痛みがあって根管治療がおこなわれるのはいわゆる
①歯髄炎:歯の神経の炎症
②根尖性歯周炎:歯根の先の化膿
の場合があります。
どちらの場合も、急性期には非常に強い痛みを伴います。
治療をしても、短期間では痛みが取れない場合もあります。
根管治療は、根管の内部を拡大して
炎症性産物や細菌、壊死物質、古い充填材その他の汚れを取り除いて
消毒を行います。
たとえ痛みが無くなっても
根尖や根管内がきれいにならなければ
最終段階(根管充填)には進めません。
さらに根管の形態は複雑でふたつと同じものはなく
基本的に手作業で進めなければなりませんので
治療の時間や回数がかかってしまうこともあるのです。
一般的には、歯髄炎の場合、症状が沈静化し根管内の状態が良くなれば
根管充填に進めることが多いのですが
根管治療が中断していて症状が再発した場合には
症状がさらに悪化して、治療回数がさらにかかってしまう傾向にあります。
とりあえず根管充填が済むまでは
継続的に治療を続けることが大切です。
回数や時間に制約があるときには担当の先生に相談してください。
消毒剤や仮封材(仮のふた)などを状況に応じて材料を選んでくれると思います。
他院での根管治療を中断して数カ月
噛んで痛むようになり来院された患者さんの奥歯です。
歯に亀裂が入っています。
残念ですが垂直ハセツしており抜歯することになってしまいました。